メンバーが”コア業務”に集中できる環境を作り、非連続な成長を実現する。セールスとCSの責任者が目指す新たなチャレンジ。
左から中村さん(カスタマーサクセス MGR)、山内さん(セールス MGR)
概要
ファインディ株式会社は、「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」をビジョンに掲げたスタートアップ企業です。エンジニアスキルや生産性の可視化する独自技術をもとに、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」「Findy Freelance」及び、エンジニア組織の開発生産性可視化・向上SaaS「Findy Team+(チームプラス)」を展開しています。また、国内外の開発ツールを対象とした、開発ツールに特化したレビューサイト「Findy Tools」も公開しています。
今回は、エンジニア組織の開発生産性可視化・向上SaaSであるFindy Team+事業部でSuccessHubをご導入いただきました。セールス担当の山内様、カスタマーサクセス担当の中村様にそれぞれ導入に至った経緯やSuccessHubに期待することについて、お話をお伺いいたしました。
「Findy Team+(チームプラス)」について
エンジニア組織のパフォーマンス向上を支援するSaaSサービスです。
GitHub、GitLab、Bitbucket、Backlog、Jiraなどを解析し「Four Keys」や「サイクルタイム」を含む開発のアクティビティ・効率・クオリティなどを可視化することで、開発生産性・開発者体験向上をサポートしています。2021年10月に正式リリース以降、約450社(トライアル含む)の企業に利用されています。
ローンチ1年半で組織規模が約4倍に。
ーまずは、貴社の主力事業のひとつである「Findy Team+」について、サービス概要を改めて教えていただけますか?
山内様(以下敬称略):「Findy Team+」は、エンジニア組織の開発生産性を可視化し、改善につなげることを目的としたSaaSプロダクトです。具体的には、GitHubなどのソースコード管理ツールと連携し、開発スピード、リリースの量、安定性といった指標を数値化します。それによって組織内のボトルネックを特定し、改善のための具体的なアクションを起こせるよう支援するサービスです。
ー貴社はエンジニア人材の採用支援など複数の事業をお持ちかと思いますが、「Findy Team+」は2021年10月のローンチ後、現在は事業部全体で何名くらいが携わっているのでしょうか?
山内:事業部立ち上げ当初は10名ほどでしたが、この1年半ほどで約4倍に増え、今は40名強の組織になっています。SaaSビジネスモデルの特性上、かなり高い成長計画を掲げており、その計画に合わせて増員を続けている状況です。
ー急拡大の中で、セールスやカスタマーサクセスの業務体制も整えられていくわけですね。お二人はそれぞれどのような役割を担われているのでしょうか?
山内:私はフィールドセールスとインサイドセールスの統括マネージャーを務めています。新規見込み顧客との商談や、トライアル期間中のフォローなど、受注に至るまでを幅広く担当しています。
中村様(以下敬称略):私はカスタマーサクセスチームのマネージャーを務めています。主にSMBやMM(ミッドマーケット)領域のお客様を担当し、オンボーディングから継続利用、課題解決、そしてアップセルへとつなげる支援を行うのがカスタマーサクセス部門のミッションですね。
データを用いて”意味のある”アクションに繋げていく
ーサービスが拡大する中で、SuccessHub導入以前はどのような課題をお持ちだったのでしょうか。まずはセールス側からお伺いできますか?
山内:はい。新規商談の過程で、私たちは本導入の前にトライアルを実施しています。エンジニア組織の皆様には「Findy Team+」を実際に触っていただき、データ可視化の価値を体感してもらうのですが、トライアル中に「ログインされない」「利用が進まない」といった問題が頻発していました。
ートライアルを活用しきれず契約まで至らないケースがある、ということですね。
山内:そうです。実際、ログイン数や利用状況などの行動データ自体は取得できていたのですが、リアルタイムでそのデータを確認し、活用する仕組みが整っていなかったため、適切なアクションを取れず、受注に至らないケースがありました。
ー例えばトライアル中には「〇〇日までにこの機能を試してもらう」「利用頻度が落ちていたらリマインドを送る」など細かいフォローが必要ですよね。それが属人的で抜け漏れが起きていたイメージでしょうか?
山内:まさにそうです。トライアル企業は常時15~20社ほど動いていますし、新規商談も複数抱えています。
セールスが「この企業はログインが減っているから連絡しよう」などを手動で管理していると、どうしても後手に回ったり、完全に抜けてしまったりするんです。そこで、「行動ログをもとにセールス活動を自動化・最適化したい」という思いが強くなり、SuccessHubのようなプラットフォーム導入を検討し始めました。
ーSuccessHubにご興味をお持ちいただきましたが、導入の決め手となったポイントは何でしょうか?
山内:まずはトライアル企業のログイン数・利用状況をリアルタイムで把握し、最適なタイミングでアクションを取れるようになるという点が大きかったです。受注率向上にはトライアルの活用度が不可欠ですから。
また、単にデータを取得するだけでなく、優先度が可視化されて色分けされたり、ダッシュボードでまとめて見られたりと、インターフェース面をカスタマイズしやすい点も魅力でした。セールスがムダなタスクを削減して、より価値の高い打ち手に集中できるようになると期待したのも導入の決め手です。
ーSaaSビジネスの性質上、すべての効果が1年目に出るとは限りませんが、まずは初年度に設定されているKPIや成果はどういったイメージ
でしょう?
山内:セールス観点でいえば、特に「トライアル後の受注率」を上げたいと考えています。トライアルの利用率を高めれば受注数も増えるという試算がありますので、その成果を通じて事業全体のARR増につなげていく方針です。
労働集約型モデルの脱却、ノンコア業務の削減へ
ー続いてカスタマーサクセスチームでは、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
中村:大きく二つあります。一つ目は「事業成長に合わせてCSメンバーをひたすら増やすわけにはいかない」というSaaS特有の課題です。私たちもT2D3のような高い成長を目指しているため、導入企業はどんどん増えていきますが、同じ割合で人を増やすと労働集約型モデルになってしまう。そこをどう効率化するかが大命題でした。
ー二つ目は何でしょうか?
日々のCS業務には、リリース情報の共有や各種リマインド、問い合わせ対応など多くのタッチポイントが存在します。とりわけ「Findy Team+」はリリースサイクルが速いので、お知らせの送付だけでも相当な工数がかかるんです。
さらに、SlackやChatwork、メールなど複数のチャネルで運用しており、それをメンバー各自がスプレッドシートで管理しているため、ルールを統一しづらいだけでなくデータの分析もしにくい状況でした。
ーオンボーディング用のマイルストーンがあっても、細かいタスクが担当者ごとにばらついていたり、抜け漏れが起こっていたというわけですね。
中村:はい。シンプルに「誰が、どこまで進めているのか」が見えにくい。担当者が変更になったり退職したりすると大変な混乱になりかねません。ひいてはお客様へのサポート品質にも影響が出ます。そこで「業務を自動化・標準化し、メンバーがコアな支援に集中できる環境を整えたい」という強い問題意識がありました。
ー最終的に導入の決め手となったのは、どのようなポイントでしょうか?
中村:私としては「少人数でも多くの顧客を支えられる体制」を作りたかったからです。リリース情報の一斉送付や定期的なリマインドなど、手動でやると大変な工数になる作業を、SuccessHubならチャットツール連携などを通じて自動化できます。
また、ヘルススコアやCTAを設定して解約予兆を早期に検知し、「この顧客には早めにミーティングを」といった具体的アクションへ落とし込める点も魅力でした。前職の経験上、「使いこなしに必要な機能がないと現場で頓挫する」と分かっていたのですが、SuccessHubは柔軟にCTAを設計できるため、導入を後押しする材料になりました。
ー同じくSaaSビジネスの特性から、すべてがすぐに成果につながるわけではないと思いますが、初年度の目標設定はどのようにされているのでしょうか?
中村:CSとしては、まず「工数削減」が最優先です。リリース連絡やリマインド対応などの単純作業を一括自動化し、担当メンバーが課題解決などの顧客に向き合う時間により多くの時間を割けるようにしたい。そのうえで解約率の低減にもつなげたいという試算もあります。
日本のカスタマーサクセスの実態にあったプロダクト開発に期待
ー最後に、長期的にSuccessHubへ期待していただいていることがあれば教えてください。
中村:日本のSaaSやBtoBビジネスは、海外と比べるとハイタッチなサポートが求められるケースがまだ多いと感じています。海外製のCSツールでは対応しづらいような、きめ細やかなアプローチが必要になりますが、SuccessHubにはそうした国内のCS実態に合った柔軟性をさらに追求していってほしいですね。
また、導入企業が増えるほど「CSはこういったKPIや運用設計がベストプラクティスだ」という事例やナレッジが集まると思うので、そのようなプラットフォームとして成長していくことを期待しています。
山内:セールスの視点でも、日本企業ならではの細かいコミュニケーションや商習慣にしっかりフィットするプラットフォームになってほしいと思っています。私たちからの要望を共有しながら、一緒に機能強化を進められるとありがたいですね。
ーSuccessHubを通じて、事業成長に欠かせない営業とカスタマーサクセス双方の課題を解決できるよう伴走していきたいと強く思いました。
貴重なお話しをありがとうございました。
おわりに
インタビューを通じて、「Findy Team+」が急激に拡大するSaaS事業の中で、セールス・CSそれぞれが抱えていた課題が見えてきました。トライアルから受注へのコンバージョン率を高めるためのログイン状況の可視化・アクションの自動化、そして日々のCS業務で発生する煩雑なタスクを最小化する工数削減。どちらも事業の成長を支えるうえで欠かせないテーマです。
SuccessHubは、こうした両輪のニーズに応えられるプラットフォームを提供しています。今後は、AI活用など新機能の拡充によって、さらに一人あたりの担当可能顧客数が増え、コア業務に集中できる世界を作れるようにしていきます。ファインディ様のような成長企業にとって、SuccessHubが日本特有のきめ細やかなCS・セールス課題を解決する基盤となり、より高い顧客満足度と持続的な成長を実現する支援ができるよう、弊社としても引き続き伴走していきます。