アクション数2倍で成果も倍増。500社以上を支えるカスタマーサクセスの新たな挑戦
(左から、カスタマーサクセス部 佐藤さん、CCO 山下さん)
概要
株式会社Hubbleでは、法務と事業部門の協業性を高める契約業務・管理クラウドサービス「Hubble(ハブル)」等を提供しています。全契約書を集約し、作成から審査、進捗の確認、締結後の管理などを一元化できるため、様々な業種の大企業からスタートアップまで利用が広がっています。
急増する顧客に対して、よりスピーディに、的確な提案を行うためにSuccessHubを導入。その経緯と、効果について、執行役員 CCO(Chief Customer Officer)の山下俊様、カスタマーサクセス担当の佐藤史弥様に、お聞きしました。
あらゆる企業に欠かせない契約書管理業務をサポート
ー貴社の事業概要について教えてください。
山下様(以下、敬称略):弊社は契約書を取り扱うクラウドサービス「Hubble」(ハブル)、「Hubble mini(ハブル ミニ)」等を提供しています。契約書面の作成や締結前の審査作業、締結後の書類管理まで、契約業務に関わるプロセスを一元管理できる仕組みで、法務部門と事業部門が協業しやすい業務基盤をご提供しています。
ー現在のカスタマーサクセスの体制について教えてください。
山下:8名体制で運営しており、私がマネージャーを務めています。約500社の顧客に対して、メンバーの経験やバックグラウンドが活かせるように担当を割り振りしています。
佐藤様(以下、敬称略):私は、従業員が1,000名を超える大企業の法務部門で勤務していた経験があるため、その経験を活かし同様のエンタープライズ企業を多く担当しています。
カスタマーサクセスでは、単純計算で1人あたり70社以上を担当しています。さらに、今年から「Hubble mini」(ハブルミニ)という新しいサービスをリリースした影響で顧客数が増加している状況のため、限られたリソースをどう配分して、効率的なサポートを行うかが重要な検討課題でした。
顧客は急増するも社内リソースは限定される
ーSuccessHubの導入前は、どのように顧客情報を管理されていたのでしょうか。
山下:大きく分けて2種類のデータを別々に管理していました。1つが業種や従業員数、法務部門の人数といった企業データです。これらは既存のSFA内にストックされていました。2つ目が、当社プロダクトの利用状況を集めたデータで、これらはスプレッドシートでの管理が行われてきました。
佐藤:プロダクトの利用状況を個社単位で調べることに大きな問題はありませんでしたが、全体の傾向を把握したり、サマライズして集計分析し施策に落とし込むのは困難でした。また、今後さらに担当企業が増えると見込まれるなか、データの追跡が追いつかなくなってきていました。
山下:私たちは、顧客のサクセスを達成することによって、結果として当社も共に成長していくことを目指しています。そのため、積極的にアップセルの提案を行うのですが、無闇な提案は顧客の利益につながらないため、適切なタイミングで行うことが重要で、この適切なタイミングを見極めるには「顧客の事業が成長している」「プロダクトが効果的に活用されている」という2つのデータを組み合わせた分析が必要だと考えています。
また、社内リソースを使って、上述2つのデータを突合するシステムを内製することも検討しましたが、開発や運用にリソースを割く余裕がなく、さらに特定の担当者が作ったシステムには属人化のリスクも付きまとうため、今後のメンテナンスコストなどを考えた結果、内製化は見送る方針としました。
佐藤:本来であれば、顧客に先回りして私たちカスタマーサクセスがさまざまな提案をすべきですが、日常業務に忙殺されて、各顧客のデータを都度確認し状況を把握する時間を満足にとれなかったという実態がありました。この状態では、人によって情報の見方やアクション内容が異なり、対応が属人的になってしまいます。結果として、エクスパンションの提案も十分に行えず、アップセルなどに結びつきづらい状況だったと思います。
これを抜本的に変えるには、顧客の情報をタイムリーに、かつ網羅的に捉えられるツールの導入が不可欠でした。
SuccessHubにはカスタマーサクセスとしての信頼感があった
ー他のツールとの比較検討を含め、SuccessHubに決定いただいた理由は何ですか?
山下:SuccessHubに限らず、当社の課題を解決できる可能性があるツールを調べましたが、私たちのようなスタートアップでの使用を想定されていないオーバースペックなツールが多かったと記憶しています。当然、費用も高額ですぐに導入するのは難しいものでした。
一方でSuccessHubの機能はシンプルながら、私たちには不可欠な企業データとプロダクトデータの統合が実現できる可能性を感じました。さらに統合したデータをもとにカスタマーサクセスのメンバーは具体的なアクションができるという説明を受けたことも好印象でした。
SuccessHubの開発には、トップレベルでカスタマーサクセスを経験してきた方が関わっている点に対して信頼感がありました。カスタマーサクセス向けのシステム開発に、実際のカスタマーサクセスでの知見が活かされているケースは稀だと感じましたし、当社の課題について詳しく説明しなくても、すぐ構造的に理解いただけたコミュニケーション面も安心材料でした。
佐藤:コミューンさんも、私たちと同じスタートアップであり、そうした親近感もありました。リリース直後ということでまだ機能的はシンプルですが、だからこそ互いに成長していけるパートナーのような可能性も感じました。
ー初期導入時(オンボーディング)のSuccessHubのサポート体制はいかがでしたか。
山下:率直に言って、初期設定の作業をすべてSuccessHubのカスタマーサクセスで行っていただき非常に助けられました。社内リソースが限られている中で、カスタマーサクセスとシステムに精通している企業に任せることでスムーズな導入が実現できました。
佐藤:私は導入が決定した段階で、プロジェクト推進の担当として手を挙げましたが、山下の説明にあったように、SuccessHubのカスタマーサクセスが中心となってセットアップしてくれたので、導入時点での不安や疑問はほぼありませんでした。早く効果を実感したいと、期待感を持っていたことを記憶しています。
ユーザー会の集客に即貢献、売上見込みも2倍に
ーSuccessHub導入後、具体的な成果があれば教えてください。
佐藤:期待していたように顧客の活用度合いが瞬時にわかるようになり、カスタマーサクセスとしての支援の優先度をつけられるようになりました。
また、全体で500社以上の顧客に対してメルマガで案内を行っていたイベントに関しても大きな成果を上げられています。
以前は、メルマガに合わせてカスタマーサクセスの担当者が個別に連絡を送りたくても通常業務が多忙で、送信率(アクション実行率)が100%に達せず、さらに案内が単なる情報提供に留まりがちでした。そのため、多くのイベントが定員割れとなり、イベントならではの価値ある情報が顧客に行き渡らず、活用率を上げる施策も形骸化していました。
しかし、SuccessHubのメッセージ一括配信機能を活用したことで、担当者が個別連絡にかける工数と時間を削減しながら全顧客に確実に連絡ができるようになり、送信率が100%に向上し、一人あたりの送信数は約10社から約40社へと大幅に増加しました。
さらに、このメッセージ一括配信機能は、メルマガと異なり普段支援しているカスタマーサクセスの担当者から直接連絡が届くため「いつも支援してくれている佐藤さんがわざわざ連絡をくれた」という特別感が伝わるのか、結果として、イベント参加希望企業が倍近く増え、直近行ったユーザー会では定員を超える参加率を達成しました。
山下:想定外だったのは、今回のユーザー会を通じて生まれたアップセルの商談数と金額もまた過去最高を記録したことです。会のコンテンツが進化したことも影響したと思いますが、2倍以上の成果につながった背景に参加者数の増加があったことは間違いありません。
ーカスタマーサクセスのアクションにおいて改善の効果はありましたか?
山下:SuccessHubの導入により、限られたリソースの中で最大限のアウトプットを出せるようになりつつあると感じています。特に、一定の受注率を前提に考えると、カスタマーサクセスのアクション数が2倍になれば成果も2倍になるという単純な構図が見えてきました。現在は、今後のアクションの予定をSuccessHubに入力することをチームメンバーに促しています。その結果、アクションプランの進捗や成果の管理においてもSuccessHubが役立つと確信しています。
SuccessHub導入によって、業務効率の向上だけでなく、具体的な成果の創出まで実現できることで、今後カスタマーサクセスチームが収益に貢献する確かな道筋も見えてくると期待しています。
ー最後に、SuccessHubへの期待もお聞かせください。
佐藤:たとえば、その場でデータ入力ができる機能や、個人ごとのタスク一覧の管理機能など、CRMのような機能の充実を期待しています。タスクの期限やチーム全体の業務管理もスムーズになると、さらに成果につながるのではないでしょうか。
山下: カスタマーサクセスのメンバーが毎日SuccessHubを見たくなるように、かつ現在のシンプルさは失わないでほしいと思います。必ずしもSuccessHubに機能実装させなくても、他のツールと連携する方法もあると思います。私たちも、まだ導入から日が浅いため、今後使い込んでいきながらフィードバックさせていただきたいです。
ーどのような企業にSuccessHubはおすすめできますか?。
山下:導入前の私たちのように、複数のデータやシステムを並べないと顧客の状態が把握できない企業は、こうしたシステムで改善を図るのが良いと考えます。また、SaaS企業にありがちですが、自社内のSQLなどに長けた人材が自前で解決しようとする場合も、システム導入によってカスタマーサクセスのメンバーが顧客対応に集中するほうが賢明のように思います。
佐藤:顧客が増え続ければ、担当者が対応できる社数はすぐに限界に達します。やがては十分な品質を管理できなくなり、商談機会の喪失にもつながるでしょう。そうなる前に、早めに手を打っておくことが大切ですね。